草野芳郎先生の講義
2013年02月07日
先日、元裁判官で、学習院大学教授の草野芳郎先生の講義を拝聴しました。
テーマは「和解の技術」について。
草野先生が任官された40数年前、裁判官のあいだでは、和解はせず判決を目指すべきという風潮があったとか。それでも、草野先生は、事件をするなかで、和解の有用性を確信し、和解による良い解決をするため、さまざまな手法を編み出してこられました。
たとえば、金銭に関する紛争で、債権者は80万円、債務者は60万円まで歩み寄ったけれどこれ以上譲らない、ということがよくあります。お互い「自分はここまで譲ったのだから、最後は相手が譲るべきだ。」という心理がはたらくからなのですが、そんなとき「債務者に80万円の支払義務を認めてもらい、そのかわりに債務者が60万円を遅れずに全額支払ったら債権者は残り20万円を免除するが、債務者が支払いを怠ったときは80万円を支払う。」という内容だと和解できることがあります。
「一部完済後免除」という手法で、いまでこそあたりまえのように使われていますが、草野先生はこの手法を、数十年前に独力で思いつかれたそうです。
これを独力で思いつかれるとは。きっと、当事者の心理に沿った妥当な解決をするという使命感や意欲に満ちておられたのだろうなぁ、と感銘を受けました。
というわけで、講義は「仕事論」にも通じるところがあり、よい刺激になりました。
(福田)
テーマは「和解の技術」について。
草野先生が任官された40数年前、裁判官のあいだでは、和解はせず判決を目指すべきという風潮があったとか。それでも、草野先生は、事件をするなかで、和解の有用性を確信し、和解による良い解決をするため、さまざまな手法を編み出してこられました。
たとえば、金銭に関する紛争で、債権者は80万円、債務者は60万円まで歩み寄ったけれどこれ以上譲らない、ということがよくあります。お互い「自分はここまで譲ったのだから、最後は相手が譲るべきだ。」という心理がはたらくからなのですが、そんなとき「債務者に80万円の支払義務を認めてもらい、そのかわりに債務者が60万円を遅れずに全額支払ったら債権者は残り20万円を免除するが、債務者が支払いを怠ったときは80万円を支払う。」という内容だと和解できることがあります。
「一部完済後免除」という手法で、いまでこそあたりまえのように使われていますが、草野先生はこの手法を、数十年前に独力で思いつかれたそうです。
これを独力で思いつかれるとは。きっと、当事者の心理に沿った妥当な解決をするという使命感や意欲に満ちておられたのだろうなぁ、と感銘を受けました。
というわけで、講義は「仕事論」にも通じるところがあり、よい刺激になりました。
(福田)
Posted by すず風 at 18:08